「世界と日本の事例で考える学校教育×ICT」1において「教育におけるデータ利活用 – 教育DXに向けた学校文化変革のために」という1節を書きました。「第1章 日本におけるICT活用の現在」の最後です。
教育データ利活用を概観したうえで、教育データ利活用で目指している事一つ一つは、実はほぼ教育DXではない事、その先を考える必要がある事を論じました。そして、データに関する科学的態度の涵養の必要性を論じ、それこそが教育データ利活用の目的ではないか、と主張するものです。
1年半前から教育データ利活用では批判的思考が大事、という話を学会発表したり2、書籍で書いたり3、講義として配信したり4してきた。ただ、批判的思考ではネガティブな印象が混じるし、指導も難しい(ただし必要)し、ヘタをすると論破の競い合いになると思っていたのが悩みでした。なので、終着点は科学的態度の方がいいと思っています。
と、まあこれだけでは誤解を生みうるので、本文読んでください^_^ 特に「科学的」という言葉は誤解されやすいので。
あ、デジタル・ドリルについて、2022/3の紀要論文5のコンパクト+ちょびっとchatGPT6に触れた1-3も一部書いてます。もちろん、国際比較も充実。本全体としてオススメです。

脚注
- 京都大学大学院教育学研究科教育実践コラボレーション・センター(監修)、西岡加名恵(編)
- コンパクトで無料。「教育DXの定義と考察」(日本デジタル教科書学会第10回年次大会)
- 「第1章:教育に関するデータの利活用の全体像と未来」(ホーン川嶋瑤子編著「グローバル化、デジタル化で教育、社会は変わる」東信堂、2021年)
- 有料ですが…「教育におけるデータ利活用:学校現場のための基礎から教育とDXの関係の近未来まで」(京都大学大学院教育学研究科 教育実践コラボレーション・センターが提供している、学校教育におけるICT活用の基礎講座 オンライン・コース(E.FORUM2021 全国スクールリーダー育成研修)の一環です)
- 西岡加名恵, 石井英真, 久富望, 肖瑶「デジタル化されたドリルの現状と今後の課題 –算数・数学に焦点を合わせて–」京都大学大学院教育学研究科紀要 68 261-285 2022年3月
- この研究Blogでは「GPTと小中高の教育」にて2023/4現在の考えを2つに分けてまとめています。
コメント
“何のための教育データ利活用?:一節書いた本が出版されました” への2件のフィードバック
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[…] 詳しくは、以前の私のblogより。 […]